1.しらす漁業の歴史
昭和30年代頃までは、船は木造の無動力船、網も現在の三分の一程度の大きさで、網やロープの材質も、みご(藁の穂の部分)、麻、綿糸といった植物性ものを用い、ウキは桐(アンバ)でオモリは素焼き(ヤ)で、毎日浜に干して、夕方船にたぐりいれていました。
昭和30年代に入ってからは、それまでは、網元で漁場が決まっていた漁場も(アンドといわれていた)田子浦海岸全体となり、捕れたしらすは、仲買や小売りに直接売り渡していました。
昭和36年に漁港が出来ると船もしらす網も大型化し、船は強化プラチック船(FRP)網やロープはナイロン系からクレモナ系となり、巻き上げローラーや魚群探知器も設置されるようになり、捕れたしらすは、漁協を通して、仲買へのセリ又は入札となりました。
現在、漁船の大きさは、4t以上~6t以上、エンジンの出力も400~800馬力となり、設備も巻き取りローラ、魚群探知は全船に装備され、その他釣りや刺し網などの目的にあった臨織設備も付いています。
魚網も改良され、材質はクレモナに変わり、アンバは発泡スチロール、ヤは鉛でロープにも鉛が入っています。長さは200~250m、しらすの入る袋の部分だけでも30m前後で、しらすを選別するため中袋を付けた二重構造になっています。
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